ごあいさつ
「参加者を主語とした研修への転換を目指して」
茨城県教育研修センター所長 宮﨑 薫
今、私たちの社会は、変化が激しく、将来の予測が困難な時代を迎えています。このような状況において、子どもたちが自ら考え、判断し、行動できるスキルを身に付けることは、大変重要です。そのため、教師には、子どもの主体的な学びを支援し、一人一人に寄り添うことのできる豊かな人間性とともに、その専門性を高めるために教職生涯を通じて学び続けることが求められています。
国の第4期教育振興基本計画においても、「持続可能な社会の創り手の育成」を理念の一つに掲げ、Society 5.0で活躍する主体性、創造力、課題発見・解決力、論理的思考力など を備えた人材の育成や、多様な背景を持つ全ての子どもの可能性を引き出す教育等が重要な柱として示され、それらの実現のためには、教員一人一人の学びを充実させることが必要不可欠です。
このような中、本県では令和5年2月に「茨城県公立の小学校等の校長及び教員の資質の向上に関する指標」を改訂し、この育成指標等を踏まえ、当センターで実施する体系的かつ効果的な研修や、学校における実践の往還等により教員の資質向上を図っているところです。
当センターにおきましては、引き続き育成指標等を踏まえ、質の高い研修の機会を提供するとともに、学校が直面する様々な課題の解決に資する調査研究を行い、実践に繋がる情報を的確に発信するなど、各事業を進めていく中で、今年度は次の重点方針により研修観の転換を図ってまいります。
<重点方針>
参加者を主語とした研修への転換 ~「新たな教師の学びの姿」を実現する研修観の転換~
1 「研修目標の3要素」を最適に組み合わせ、参加者に豊かな「気付き」を醸成する研修の充実
研修目標の3要素 (「研修観の転換」に向けたNITSからの提案(第一次)より)
〇知識やスキルについて、新しく知る
〇自らの教育実践の特徴や考えの枠組みについて気付きがある(深まる)
〇自己の「在り方」について、気付きがある(深まる)
・省察や捉え直しを大切にした研修計画の工夫
・気付きを促すリフレクションへの改善
2 探究的、課題解決的に進める研修への転換
・自ら問いを立てる、理論、実践、省察・捉え直しのスパイラルを重視
・参加者が学びを見通し、デザインする研修へ
3 個別最適な学びと協働的な学びの充実
・キャリアステージやニーズに合わせて選択する多様なテーマ、コースを設定
・一人一人の個性に即して学ぶオンデマンド教材等の積極的な活用
・個別最適な学びと協働的な学びの質を高める課題やテーマ等の工夫
これらの重点方針に基づき、教職員の学びが「主体的・対話的で深い学び」となるよう、研修の改善を図るとともに、学校のニーズに合わせた研修支援やオンデマンド研修など、多様な形態による研修を実施してまいります。茨城県の未来を担う子どもたちを育てる教職員の学びを支援するため、職員一同、力を尽くしてまいりますので、皆様のご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。