情報教育課新着情報

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情報科教育研修講座

9月16日(水),高等学校教科「情報」関する専門的研修を通して,情報教育についての理解を深め,指導力の向上を図ることを目的として,「情報」を担当する県内の高校の先生方を対象にした「情報科教育研修講座」を開催しました。

 2022年度全面実施となる高等学校新学習指導要領では,情報活用能力の育成に更に重点が置かれ,必履修科目となる「情報Ⅰ」においてプログラミングやデータ活用に関する授業が行われます。今回の講義・演習「新学習指導要領を踏まえた情報科目の指導Ⅰ」は,その中でも特に,小学校から中学校・高等学校へと段階的な育成が必要となるプログラミング教育に視点をおいた内容とし,文部科学省より提供された教員研修用テキストに沿って,プログラミング言語Pythonを用いたプログラミングについての指導法を学びました。

 午前は,基礎的なプログラミングの実習を含めながら,問題を解くための手順を定式化した「アルゴリズム」について,プログラミングの手順を論理的に考える学習法を学びました。午後は,イギリスで教育用に作られたmicro:bitを用いたプログラミング演習を行いました。

 micro:bitは各種のセンサと簡易なLED表示装置が内蔵されており,プログラミング言語で制御可能な外部機器のため,プログラミングによって機械が実際にどのように動作するか,実験的に体感する学習を行うことができます。今回は,micro:bitを用いたMicroPythonによるプログラミング演習により,センサで得たデータに応じてLEDを制御するプログラミングを行いました。

 受講した先生方は,出題された演習問題に取り組みながら,授業での指導に関する知識と理解を深めました。

産業教育研修講座(商業)

9月11日(金),1016日(金)の2日間,産業教育(商業)に関する専門的研修を通して,専門教育の今後の在り方と指導法への理解を深めるとともに,実践的な指導力の向上を図る目的で,産業教育研修講座(商業)を実施しました。

 第1日は,新学習指導要領を踏まえたこれからの商業科の在り方について,文部科学省 田中 圭調査官による講義と,地域産業・地域社会との連携を通した商業教育の実践事例紹介として,県立石岡商業高等学校 商業科 戸邊 弘樹先生の実践発表,さらに商業科学習指導の工夫改善として,SDGs教育を題材にした研究協議を行いました。

 第2日は,キャリア教育・人材育成に視点を置き,午前には茨城大学 今村 一真教授による講義を,午後には株式会社JTBより中村彰秀様,株式会社JTB総合研究所より山﨑 誠様を講師として招き,企業の人材育成の現状と,地域と連携した観光教育と人材育成について講義を頂きました。

 2日間の講義や実践発表,研究協議から,受講者は商業教育の新たな視点と,今後の商業科教育において,授業実践に結び付く知識を学び,大変有意義な講座となりました。

 

※SDGs:SustainableDevelopment Goals(持続可能な開発目標)の略で20159月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標を指します。17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の「誰一人取り残さない(leave no onebehind)」ことを誓っており,日本としても積極的に取り組んでいます 。

 (外務省Webページより:https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html

産業教育研修講座(農業)

 9月23日(水), 10月23日(金)の2日間,産業教育(農業)に関する専門的研修を通して,専門教育の今後の在り方と指導法への理解を深めるとともに,実践的な指導力の向上を図る目的で,産業教育研修講座(農業)を実施しました。
 第1日は,農業科の原則履修科目であり農業学習への導入を図る基礎的な科目である「農業と環境」について深く学びました。午前は,農林水産部農業政策課 吉井 孝一技佐より国及び本県の農業政策について,茨城大学 小松崎 将一教授より「農業と環境」の学習指導についてそれぞれ講義いただきました。午後には, 県立大子清流高等学校 菊池 天志先生,県立石岡第一高等学校 江幡 和士先生が「農業と環境」についての実践発表を行いました。
 第2日は,全国農業協同組合連合会茨城県本部での所外研修が行われました。午前の講義の後,隣接する株式会社茨城県中央食肉公社で食肉加工の現場を視察し,午後には食品加工実習としてソーセージの手作り体験を行いました。
 2日間の講義や実践発表,所外での研修から,受講者は,食と農を取り巻く環境について再確認し,その内容を,「農業と環境」の授業や,農産物利用の実習で生徒に伝えたいと意欲的でした。

中堅教諭等〔前期〕資質向上研修講座(中学校)

  1112日,1119, 1127日に,「中堅教諭等〔前期〕資質向上研修講座(中学校)第4日(情報教育分野)」を実施しました。この講座は,中堅教諭として,自己の課題を明確にし,ICTを活用した授業力を高めることを目的としています。

 講義では,授業におけるICT活用について理解を深め,実際に授業等でICTを活用した実践発表を聴講することで,具体的なICT活用のイメージを持つことができました。
 演習・実習では,ウインドウズタブレットやiPad,実物投影機を活用し,授業でICTを活用する研修を行いました。ウインドウズタブレットを活用した演習では,SKYMENU Classやロイロノートを使って,生徒同士で学びを深める授業スタイルについて学びました。iPadを活用した実習では,Clipsを使って自分の持ち物を動画で紹介する活動に取り組み,グループで協力して情報を分かりやすく伝える動画を作成しました。実物投影機を活用した実習では,具体的な操作の仕方を学ぶとともに,拡大提示されたものから学習活動へとつなげていく授業の流れを考えました。

 学んだことを,これからの授業に生かしていこうという前向きな考えをもった先生方が多く,とても充実した研修となりました。

 

中堅教諭等〔前期〕資質向上研修講座(小学校)

 6月17日、6月24日、6月25日、7月2日に、「中堅教諭等〔前期〕資質向上研修講座

(小学校)第3日(情報教育分野)」を実施しました。この講座は、一人1台端末下におけ

る、ICTを活用した授業力を高めることを目的としています。

授業支援ソフト「ロイロノート・スクール®」を活用した演習・実習では、GIGAスクール構想の一歩先を行くICT機器を整えた「フューチャークラスルーム®」を活用しました。機器の更新が行われたこの研修室は、4面マルチスクリーン、ワイヤレス画像投影、レイアウトフリーデスク、一人1台のタブレット端末を備えています。今回はiPadと「ロイロノート・スクール®」を活用し、「知識構成型ジグソー法」を使った模擬授業を、受講者が児童役として体験する研修を行いました。

また、GoogleClassroomSKYMENU Classを活用した協働的な学習も体験しました。受講者同士の活発な意見交換が行われ、探究的な学びの授業デザインについて考えるよい機会となりました。受講者からは、「具体的な活用場面について悩むところも多かったので大変勉強になりました。」「初めてのロイロノートで不安でしたが、気付いたら子どもたちと同じで夢中になり、解き方を相談し合って学び合っていました。」等の感想が寄せられました。

学んだことを、これからの授業に生かしていこうという前向きな考えをもった受講者が多く、とても充実した研修となりました。

「フューチャークラスルーム®」は、(株)内田洋行の登録商標です。

「ロイロノート・スクール®」は、(株)LoiLoの登録商標です。
 
iPadとロイロノートを活用し、問題に取り組む     問題の解き方を、グループの中で説明
 
GoogleClassroomで、協働的な学習を体験    SKYMENU Classを活用した探究的な学びの演習


令和3年度 産業教育(工業)研修講座

県内の工業系高等学校の先生方、IoTについて学ぶ

 工業系の授業を担当している県内11人の先生方が集まり、県立産業技術短期大学校において7月26日・27日に産業教育(工業)研修講座を実施しました。
 研修では、消しゴムほどの大きさのコンピュータであるシングルボードコンピュータ(今回使用:Raspberry Pi Zero)にカメラ、温湿度センサを組込み、撮影した写真と温度、湿度のデータを、クラウドを利用したアプリケーションに転送し、離れた場所のデータをリアルタイムでモニタリングする技術について学びました。
 この技術を利用すれば、不在時の訪問者を記録し、必要に応じて、スマートフォンで訪問者を確認したり、部屋に残してきたペットの様子を外出先から確認したり、部屋の温湿度をモニタリングし、状況に応じてエアコンを遠隔で作動させるといった、生活を便利にするシステムを創ることができます。
 受講者からは、「Raspberry Pi Zeroを使ったプログラミング制御を研修して、プログラミングについて苦手意識がありましたが、フロー作成で視覚的に組み立てることで容易に作成できることにとても驚きました。多少のプログラム知識は必要ですが、生徒たちにとってこのフローからプログラムを学ぶことは非常に有効だと思います。機械科を教えていますが、実習の一部に導入してもよいと思いました。」、「IoTに関する内容は今後の社会に大きく影響するため、授業を通して生徒に教えていきたいと思いました。」といった感想が寄せられました。
 工業系の高等学校では、我々の生活を豊かにしてくれる専門的な知識と技術を学ぶ、夢のある教育を受けることができます。そのような学校の生徒たちのために、先生方は積極的に研修に励んでいます。

プログラムを組込む受講者の様子

制作したシステム(左から、Raspberry Pi カメラ、温湿度センサ)

小学校段階におけるプログラミング教育研修講座

 7月30日、8月2日、8月3日に、「小学校段階におけるプログラミング教育研修講座を実施しました。この講座は、プログラミングを体験しながらプログラミング的思考を身に付けるための学習活動について理解を深めるとともに、小学校段階におけるプログラミング教育に関する知識と技術を習得し、指導力の向上を図ることを目的としています。
 「codey rockey®」を活用した演習・実習では、第5学年の社会科「わたしたちの生活と工業生産」において、自動運転車のプログラミングを行いました。「codey rockey」は、距離・色・光・音センサ等が搭載されているプログラミングロボットです。センサを使用して動きをコントロールしたり、プログラミングによって自由に走行させたりすることができます。受講者は、自動運転車に付け足すべき機能として、歩行者とコミュニケーションをとるプログラムを考えました。受講者からは、「本日の講義で、STEAM教育という言葉を初めて知りました。自動車をプログラミングする中で、市民がより安全に暮らせるにはどのようなシステムにすればいいのかを考えるなど教科横断的な学びになることが分かりました。」、「自動車の自動運転のときの学習の進め方、流し方について、とてもわかりやすかったので、当該学年の先生方にも伝えていきたい。」といった声が聞かれました。
 また、「toio®」を活用した演習・実習を行いました。「toio」は、カードを組み合わせてロボットの動きをプログラミングします。受講者同士で協力したり、お互いにプログラムを確認し合ったりしながら活動する姿が見られました。
 一日の研修を通して、「プログラミングを用いた授業作りについて、学習の目標に向かって、どのようなところでプログラミングを取り入れていけばよいのかすごく参考になりました。これからの授業では、学んだことを取り入れて、子どもたちの思考が深まるような学習指導をしていきたいです。」という意見が寄せられるなど、学んだことをこれからの授業に生かしていこうという考えをもった受講者が多く、とても充実した研修となりました。
 「codey rockey®」は、ケニス株式会社の登録商標です。
 「toio®」は、株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメントの登録商標です。

codey rockey」で、自動車の自動運転を考える


toio」で、ロボットの動きをプログラミング

産業教育(商業)研修講座

 7月13日、産業教育(商業)に関する専門的研修を通して、商業教育の今後の在り方と指導法への理解を深めるとともに、実践的な指導力の向上を図る目的で、産業教育(商業)研修講座を実施しました。

 はじめに、総論として、新学習指導要領を踏まえたこれからの商業科の在り方について、文部科学省 田中 圭調査官による講義を頂きました。続いて、地域産業・地域社会との連携を通した商業教育の実践事例紹介として、県立常陸大宮高等学校 横山 治輝 先生の実践発表を、防災という視点から地域とのつながりをもつ商業教育実践法について、国立研究開発法人防災科学研究所総合情報センター センター長補佐 取出 新吾 氏から講義を頂きました。また、研究協議では、ICTを活用した授業実践を体験頂き、商業教育の在り方について話す場をもちました。

 受講者からは、「地域の人たちとの関わりを積極的にとり、生徒達に様々な年齢、業種の人たちと関わりを持たせる機会を作ってあげたいと思った。そこから学べることは、授業では到底学べないことだと思うので、貴重な機会を率先して作っていく努力をしようと思う。」や、「授業は一人で行うのではなく、チーム(外部講師などを活用)で考えて動くと、生徒の資質・能力の育成および主体的・対話的学びができることを学びました。」などの声が多く聞かれました。講義や実践発表、研究協議から、地域産業・地域社会との連携という視点を、今後の商業科教育に結び付ける方策について学ぶ、大変有意義な講座となりました。

教育の情報化に関する研究研究協議会第1回・第2回

 本センター研究事業の中で、「児童生徒の情報活用能力を育み、発揮するためのICT活用の在り方」の研究として2年目を迎える本研究の第1回、第2回研究協議会を実施しました。

 昨年度、児童生徒の情報活用能力を「育成」することに研究の焦点をあて、校種ごとに授業デザインの構築と授業実践を行いました。そして2年目となる今年度は、育成した情報活用能力を「発揮」するための手立てについて追究していきます。

 5月26日の第1回研究協議会では、研究アドバイザーである国立大学法人東京学芸大学准教授 高橋 純先生によるオンライン講義の後、研究協力員(小学校3人、中学校3人、高等学校2人、特別支援学校2人の計10人)による研究協議を行いました。

 7月9日の第2回研究協議会では、各研究協力員が持ち寄った、情報活用能力を発揮するための授業アイデアについて研究協議を行い、それぞれのアイデアをブラッシュアップさせました。

 GIGAスクール構想に基づくICT環境配備の加速化、令和の日本型教育におけるICT活用重視の最中において、児童生徒の情報活用能力の育成と発揮を目指す本研究を、今後もご注目ください。

ICTを活用した授業力向上研修講座

 令和3年度ICTを活用した授業力向上研修講座は、コロナ禍の中、7月28日(水)A班は来所による開催、8月20日(金)B班は、県の非常事態宣言を受け、オンラインによる開催となりました。

 A班では、授業におけるICTの活用についての講義・実践発表と、実習・演習を行いました。鉾田市立鉾田南中学校 佐藤 理先生による実践発表では、動画を自分で撮って教材にしたり、生徒同士の学び合いに使ったりといった、動画やタブレット端末の撮影機能を活用した授業実践事例が紹介され、受講者からは、参考にしたい点がたくさんあったなどの声が聞かれました。

 その後、Google Workspace、ロイロノート・スクール、SKYMENU Classという3つの授業支援アプリを活用した授業づくりのコースに分かれ、それぞれ、実習・演習を行いました。受講者からは、「ICTで「共有する」ということを念頭に置くと、ICTの利用が目的化せずに活用できると感じた。」や「校内研修を行い、全職員と共有していくことで、校内のICT活用力を高めていきたい。また、トライ&エラーの精神で「とりあえずやってみる」ことを大切にしていきたい。」などの声が聞かれました。

 B班は、オンラインによる講義・実践発表のみの研修となりました。日立市立豊浦小学校の木村光輝先生による実践発表では、図工作品の鑑賞や、テスト解説動画の作成など、具体的な授業実践が紹介され、受講者からは、非常に参考になったとの声が多く聞かれました。

 コロナ禍においても、受講者の先生方の、研修に対する意欲、学びを止めないという姿勢が多くみられました。このような先生方の期待に応える研修を、今後も実施していきます