情報教育課
産業教育研修講座(商業)
9月11日(金),10月16日(金)の2日間,産業教育(商業)に関する専門的研修を通して,専門教育の今後の在り方と指導法への理解を深めるとともに,実践的な指導力の向上を図る目的で,産業教育研修講座(商業)を実施しました。
第1日は,新学習指導要領を踏まえたこれからの商業科の在り方について,文部科学省 田中 圭調査官による講義と,地域産業・地域社会との連携を通した商業教育の実践事例紹介として,県立石岡商業高等学校 商業科 戸邊 弘樹先生の実践発表,さらに商業科学習指導の工夫改善として,SDGs※教育を題材にした研究協議を行いました。
第2日は,キャリア教育・人材育成に視点を置き,午前には茨城大学 今村 一真教授による講義を,午後には株式会社JTBより中村彰秀様,株式会社JTB総合研究所より山﨑 誠様を講師として招き,企業の人材育成の現状と,地域と連携した観光教育と人材育成について講義を頂きました。
2日間の講義や実践発表,研究協議から,受講者は商業教育の新たな視点と,今後の商業科教育において,授業実践に結び付く知識を学び,大変有意義な講座となりました。
※SDGs:SustainableDevelopment Goals(持続可能な開発目標)の略で2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標を指します。17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の「誰一人取り残さない(leave no onebehind)」ことを誓っており,日本としても積極的に取り組んでいます 。
(外務省Webページより:https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html)
情報科教育研修講座
9月16日(水),高等学校教科「情報」関する専門的研修を通して,情報教育についての理解を深め,指導力の向上を図ることを目的として,「情報」を担当する県内の高校の先生方を対象にした「情報科教育研修講座」を開催しました。
2022年度全面実施となる高等学校新学習指導要領では,情報活用能力の育成に更に重点が置かれ,必履修科目となる「情報Ⅰ」においてプログラミングやデータ活用に関する授業が行われます。今回の講義・演習「新学習指導要領を踏まえた情報科目の指導Ⅰ」は,その中でも特に,小学校から中学校・高等学校へと段階的な育成が必要となるプログラミング教育に視点をおいた内容とし,文部科学省より提供された教員研修用テキストに沿って,プログラミング言語Pythonを用いたプログラミングについての指導法を学びました。
午前は,基礎的なプログラミングの実習を含めながら,問題を解くための手順を定式化した「アルゴリズム」について,プログラミングの手順を論理的に考える学習法を学びました。午後は,イギリスで教育用に作られたmicro:bitを用いたプログラミング演習を行いました。
micro:bitは各種のセンサと簡易なLED表示装置が内蔵されており,プログラミング言語で制御可能な外部機器のため,プログラミングによって機械が実際にどのように動作するか,実験的に体感する学習を行うことができます。今回は,micro:bitを用いたMicroPythonによるプログラミング演習により,センサで得たデータに応じてLEDを制御するプログラミングを行いました。
受講した先生方は,出題された演習問題に取り組みながら,授業での指導に関する知識と理解を深めました。
校務の情報化推進のためのエクセル活用(VBA)研修講座
8月20日(木),21日(金)の2日間,校務の情報化を推進するために,エクセルVBAに関する基礎的な知識と技術の習得を図ることを目的として,県内の教員および事務職員を対象にした「校務の情報化推進のためのエクセル活用(VBA)研修講座」を開催しました。
校務の情報化は,ICTを有効し,校務の効率化を図ることで生徒と向き合う時間をつくり,よりよい教育を実現させるために行われます。今回のエクセル活用(VBA)では,情報教育課作成のオリジナルテキストに沿って,マクロやユーザーフォームなどのVBAの機能について,エクセルを実際に操作しながら例題に合わせた演習を行う形式で
学びました。受講者からは「今回学んだ活用法を生かして,入力したデータを自動で整列して表示させたり,作成した表を自動で印刷できるよう設定するなど,自校の校務に生かしていきたい」などの声も聞かれ,大変有意義な研修となりました。小学校プログラミング教育研修講座の実施
7月31日,8月3,4日の3日間に渡り,計85人の先生がプログラミング教育の希望研修講座に参加しました。講座では,アンプラグドの演習をはじめ,ScratchでのB分類の実習,micro:bitを使ったC分類の実習を行いました。研修後のアンケートでは,「とてもためになる研修でした。忘れないうちに,大切なことは学校で広げたいと思います。」,「実習・演習が多く、実際に使いながら研修することができたのがよかったです。大変勉強になりました。」という感想が多数寄せられました。
受講された先生方は,今回の研修での学びを基に,勤務校でプログラミング教育の実践に取り組みます。今後は,その実践の様子についてもお伝えしていきます。受講者の先生方の活躍に是非ご注目ください。
県内の工業系高等学校の先生方,IoTについて学ぶ
教育の情報化・第2回研究協議会を実施しました。
第1回研究協議会をオンラインで実施しました。
5月29日(金),教育の情報化に関する研究「児童生徒の情報活用能力を育み,発揮するためのICT活用の在り方」の第1回研究協議会が行われました。本研究は,令和2年4月から令和4年3月にかけて研究を行う2か年事業で,児童生徒の情報活用能力を育むとともに,主体的・対話的で深い学びの中で,その能力を発揮するためのツールとしてのICTを活用した授業実践について提案することを趣旨としています。1年次の初回となる今回は,講師に国立大学法人東京学芸大学准教授 高橋 純先生を迎え,県教育研修センターから委嘱された研究協力員(小学校3人,中学校3人,高等学校2人,特別支援学校2人の計10人)が大学や勤務校などそれぞれの場所からオンラインで参加する形式となりました。
午前の高橋准教授による講義「児童生徒の情報活用能力を育み,発揮するためのICT活用の在り方」では,これまでの研究で蓄積された豊富な実践事例を基に,情報活用能力の必要性と研究の意義について学びました。講義後には,研究協力員から「本校の児童生徒にどのようなアプローチができるのか,イメージがなかなかもてず,考えれば考えるほど分からなくなっていたが,講義から,自分に足りないのはシンキングサイクルだったと気付いた。どのような手順でじっくり考えていくのか,情報の収集→整理・分析→まとめ・表現を子供たちにより丁寧に指導できるよう,授業計画を組み立て,実践していきたい。」などの感想が寄せられました。
午後は,本研究の進め方について全体に概要説明を行った後,校種ごとに分散会を行い,情報活用能力を育むための授業実践に向けて,授業デザインを検討しました。
今回はオンライン会議という新たな形式での実施となりましたが,研究協力員からは「これからの研修や出張のスタイルも変わっていくのではないかと感じた。」などの感想があり,ICT活用に対する教師の意識改革にもつながる研究協議会となりました。校内研修支援訪問(神栖市)の様子が茨城新聞で紹介されました。
研究発表会「論理的思考力を育むためのICT活用の在り方」
12月25日(水),教育研修センター研究発表会「教育の情報化に関する研究」が開催されました。小・中学校,高等学校,特別支援学校や教育委員会,大学等を合わせ,計210名を超える先生方に参加いただき,たくさんの方と学びを共有できました。本研究の主題にある論理的思考力は,学習の基盤となる資質・能力とされ,教科等横断的な学習の中で育むことが目指されています。ICTの活用は,その思考を可視化しながら対話によって学びを深めることに役立てられます。参加者の先生方からは,「今日研修したことを学校で伝えていこうと思います。」といった言葉を複数いただきました。今後も,先生方と共に学び,先生方が求めるヒントを提供できる研究を進めていきます。
若手教員〔初任者〕研修講座(高等学校,商業)第13日
12月5日(木),県立鬼怒商業高等学校において,若手教員〔初任者〕研修講座(高等学校・商業)の授業参観を行いました。
6名の商業科初任者のうち,授業実践者となった初任者は,第1学年「簿記・商品有高帳の記帳」の授業を行い,他の初任者が参観者として授業を参観しました。また,鬼怒商業高等学校商業科教諭による「情報処理」の授業参観も行いました。参観後の研究協議では,初任者が行った「簿記」の授業について,学習指導上参考になった点や改善点,実務につながる簿記指導の在り方について,2つのグループに分かれて話し合いました。
実際に授業を行い改善点等を検討し合うことで,授業実践者,参観者それぞれの立場から,自身の学習指導を振り返る機会となり,学習指導において新たなアイデアを持ち帰ることのできる有意義な一日となりました。